2008/06/13 (Fri) 本編 第１話 １章 「始動―ハジマリ―」 ４部

あらすじ
偶然通りかかった孤児院で暴れていたやーさんに殴られた真壁はそのまま気絶してしまったのだった・・・

同時刻　同地区
この都市は大きく３つのエリアに分かれる
一つは大きなビルが立て並ぶ企業エリア、都市の中心で昼ごろには多くの人が仕事をしている地域だ
二つ目は新居住エリア、都市の４０％はここで生活しているエリアで安定した生活を行っている
そして、三つ目が旧都市部とスラム街、旧工場地区で構成されている旧都市区である
そのために貧富の差は大きくそれを恨む者も少なくはない
そしてここ、旧工場地区の工場倉庫にその者達はいた
「くそっ！アークめ！」
金髪の青年、ジャックは怒りで周囲の機材を蹴り飛ばす
「やめろ、ジャック。」
色黒の３０代男性、バナはジャックを止める
「離せ！バナ！」
「皆同じ気持ちなんだ、それを考えろ」
３人の中で一番年上の男、ロイはジャックを見る
ジャックはロイの目を見るとロイが怒っている事を悟る
「悔しいじゃねぇか・・・くそっ！」
「だったら復讐すればいい」
「誰だ！？」
声の主、倉庫の入り口にいた男は全身黒いスーツ姿で片手にはワイングラスを掲げている
「安心しろ、私も同じ志を持つ者だ」
「なんだと？」
「復讐したいのだろ？アークに、」
スーツ男はそういうとワインを軽く口にする
「・・・だが無理だ。」
アーク社は経済的、軍事的に高い組織でそれでも手を出す奴は無謀な馬鹿かジェネシス社の社長ぐらいだろう
そして彼らにはそれほどの経済力も軍事力も無い
ジャックは落ち込むがスーツ男は笑みを浮かべる
「力なら・・・ここにある」
スーツ姿の男はグラスに入ったワインを飲み干すとグラスを捨てる
すると輸送トレーラーが５台続々と入ってくる。それぞれの荷台にはコンテナが搭載されている
コンテナの中身を解放すると３人は驚きの表情を見せた
「な・・・」
「これは･･･！？」
「どうする？私という力に乗るか？」
「･･･」
３人はそれぞれの顔を見ると決心したか決断を言った

真壁は再び目が覚めると茶色の天井が見える
所々舗装された天井は今にでも落ちてくるようだ
真壁は起き上がると所々痛みが走る
慣れているとはいえはこういうのは慣れる物ではないそれに慣れたくも無い。
真壁はとりあえずベットから出ようとするとベットにもたれかかって眠っているシスターに気が付く
「・・・あ、起きましたか」
シスターは起き上がるとベットから出ようとしていた真壁に気が付き移動する
「・・・あのヤクザは？」
「帰りました、お陰で」
「ああいうのはいい様にさせて帰らせるのが一番だ、そうした方が被害も小さい」
「はあ・・・しかし借金がある限り彼らはやって来ますから・・・」
「やはりそうか・・・」
「シスター！」
一人の少年、１０歳くらいの少年が部屋に入ってくる
料理中なのか両手にミトンをつけている
「もうすぐ昼食だよ」
「そうですね」
そこで今の時間がまだ昼頃であることに真壁は気が付くと起き上がる
「とりあえず事情を聞かせてくれないか？」
「え？」
「それとも邪魔だったか？」
「いえ、そんな事は･･･」
「おじさんも手伝ってよ」
「おじ･･･」
少年のおじさん発言に真壁は眉をひそめた
「俺はまだ２０歳だ･･･」
そういって真壁も外に出ようとする
「待って」
「あなたは・・・どうしてそこまで私達に･･･」
―そこまでできるのですか？
物騒な時代ただでさえ困っている人に相談までする人はいたとしてもそれをたすけようとする人はまずいない
真壁は少し考えるがはっきり言った
「俺も同じ様な育ちだからな」
「そうなのですか･･･」
シスターはそれ以上の詮索をせずに食堂へ向おうとする
しかしそこでベットの上に謎の端子を見つける
「？」
シスターはそれを手に取ると偶然スイッチを押してしまう
すると真壁の写真とデータが出ると一番上にある文字が目に入った
「オラ･･･？」
「失礼」
いつの間にかシスターの後ろに真壁がいるとその端子をひょいっと取り上げた
「すいません、中身を見るつもりは・・・」
「気にせんよ」
真壁はそういうと部屋を出た