2008/06/15 (Sun) 本編 第１話 １章 「始動―ハジマリ―」 ６部

近接戦はリアルロボットの魂
あらすじ
シスターが真壁に孤児院の救済方法を考えている中アークに恨みを持つ者たちが攻撃を仕掛けてきた

「急いで！」
シスターは孤児院の近くにあるシェルターへ子供たちを誘導する
その中シスターは子供たちを確認すると一人いない事に気が付いた
「アレン？アレン！？」
「先生！あそこ！」
一人の子供が孤児院の２階を指差すと先ほどのミトン少年がいた
シスターは急いで助けようとした時だった
流れ弾が孤児院を直撃、しかも運の悪い事に広域燃焼型のバズーカ弾だ

轟音

バズーカの中に入っていたナパームが放たれ一気に孤児院の１階を火の海にした
幸い２階の少年がいる部屋は無事らしいがそれも時間の問題だ
「あぁ！」
シスターはそれでも助けに向かおうとする
「先生ー！」
「アレン！」
そこで真壁がシスターを抑える
「離して！」
「ダメだ！中に入るのは危険だ！」
「でないとアレンが・・・！アレンが・・・！！」
「わかっている、だから手伝ってくれ！」
「え・・・？」
真壁はそういうと物干し竿まで走ると干してあるシーツを何枚も重ねるとアレンのいる階の真下に向かった
そこでシスターは真壁のしようとする事を理解すると駆け出す
「先生ー！」
「アレン！」
真壁とシスターは何枚も重ねたシーツの端をそれぞれ掴むと四方に広げた
「飛び降りるんだ！」
「え！？」
「急いで！」
そうしている間にも孤児院の１階は燃え今にでも倒壊しそうだ
「そんな･･･怖いよ！先生！」
「がんばって！」
「そうだ！アレン！男を見せろ！」
「･･･」
アレンは窓のふちに足を掛けると窓から飛び降りる
真壁とシスターは慌てて落下地点を合わせ見事シーツの中心に落ちた
アレンは泣きながらでシスターにすがっている
「もう大丈夫よ･･･ね？」
「先生ー」
三人はすぐに孤児院を離れるが最後に真壁は燃えている孤児院を見る
「･･･」
シスターとアレンはシェルターに入る
「真壁さんも早く」
真壁はシェルターの前で先ほどの端末を弄っているとそれを懐にしまう
「それはできない」
「え･･･」
真壁はそういうと閉鎖ボタンを押す、するとシェルターの障壁がゆっくり閉まり始めた
「これでお別れだ･･･」
「そんな･･･」
「大丈夫、何とかするから…全部」
「待って！」
「じゃあ･･･」
そこでシェルターが完全に閉まり声は聞こえなくなった
「･･･真壁さん」

「真壁！」
先程のトレーラー運転手は真壁の"注文"で孤児院前まで来ていた
「すまない！」
「なぁに追加料金払ってくれればどこだって運ぶさ」
「準備は？」
「もうできてる」
運転手はそういうと機動スイッチを入れるとトレーラーの後ろのシートが格納され中からフレームが現れた
真壁はそのフレームに乗り込むと真壁の着ている体に密着している服が光る
ナノスキンデバイス
皮レベルの薄さを持ちながらフラッシュメモリーのようなデータ認証が可能しかも身体修復機能まで兼ね備えた優れものである
そのお陰で本来認証をする時間が短縮すぐに動けるのだ
真壁は認証完了を確認すると先程の端子をコックピットの真ん中にあるソケットに差し込んだ
「オラクルナンバー３０２１４４２１３４、真壁博樹、緊急依頼００２３の依頼を受注する！」
「受注完了しました」
流暢な女性型電子音声のＯＳが依頼の受注の完了を伝える
「よし･･･」
真壁はコントロールスティックを握り直し深呼吸をする
それが彼にとっての生きて帰るまじないであり心の準備だった
「行くぞ･･･相棒」
呼吸を整えた真壁はそう言うと思いっきり両足のペダルを踏み込んだ