このブログは@knight@のロボット・電子工作方面の活動を書いてるサイトです。
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☆☆
「…」
やよいは息を吐きゆっくり吸い込み集中すると兎の人形に『力』を込める
すると兎の人形は右手、続いて左手を挙げる
「その調子、」
櫻はやよいの肩を持ち言う
やよいは更に集中し『力』を込めて行くが次第にやよいの腕が下がって行く
「…ストップ」
やよいの限界を感じた櫻はやよいに制止を掛けた
「え?」
「今日はここまで」
「まだ行けます」
「無理しなくても大丈夫だよ、時間はたっぷりあるから」
「でも・・・」
「やよい」
やよいは何か言いたそうな素振りを見せるが納得したのか大きく深呼吸する
「…わかりました」
「うん」
櫻は兎の人形を元の棚に戻すと作成中の作品がある作業机に着くと作業に取り掛かった
作業中の櫻は何を話しても全く反応しない
そのためやよいはその間の開店時間は接客に勤めている
玄関に付いている鐘が店内に鳴り響く
「いらしゃいませー」
やよいは反射的に櫻に教えられた営業スマイルでお客を迎える
お客は男性で年齢は30代前半、背丈は少し高くきりっとしたスーツの上に年期がありそうな深緑のコートを着ている
「よっ」
「ヒコさん」
彼、竹本尚彦(たけもとなおひこ)はこの地域の事件を担当している刑事でありこの「ビスク・デュオ」の常連でもある
『ヒコ』というのは店長が勝手に付けたあだ名だったがいつしかやよいと櫻も普通に使う様になっていた
「今日はどの様なぬいぐるみを?」
「娘がテストで満点を取ってな、そのご褒美をな」
直彦は新人刑事の時にいわゆる「できちゃった婚」をして現在8歳の娘がいる
直彦は見本といえるレベルの親バカで娘のプレゼントには良くぬいぐるみをあげていた
「何かいいものは無いか?」
「そうですね・・・」
やよいは数ある人形の中から小さな人形を出す
「これなんてどうですか?」
「これは?」
その人形の大きさは5,6cm、頭部は藁の上に針金で固め更にその上に毛糸で固めた作りになっている
「ブードゥー人形です」
「ブードゥー人形・・・?」
ブードゥー人形はブードゥー教が呪いの儀式に使う藁人形に模して作られたことが始まりだが今では願掛け、運を呼ぶ人形として親しまれている
「娘さんの好きな色は?」
またブードゥー人形は使う毛糸の色でどんな願いにするか決まる
「えっと・・・桃色と・・・白かな?この前その色鉛筆がなくなったって言ってたから」
「ふむふむ・・・」
やよいはいくつかある中から一つを取り出す
天子を模したその人形はドレスがピンク、翼の色が白の毛糸で作られている
他にも様々な小さな部分に力が入っておりキーホルダにしては大胆に作られていた
「うん、これなら喜びそうだな、買うよ」
「ありがとうございます。・・・そうだ」
やよいは更にもう一体のブードゥー人形を出す
今度は青のスーツに白色の翼をしている
「サービスでこの子も付けちゃいますね」
「すまない」
「いえいえ」
やよいは二体の人形を袋に入れ渡し直彦の出したお金を受け取った
「ありがとう」
「どういたしまして」
直彦は店を出ようとしたがそこで用事を思い出した様に反転する
「おっと、そうだった・・・」
直彦は懐から1通の手紙を出すとやよいにみせる
「『手紙』だ」
やよい、そして櫻も何もいわずに作業の手を止めた
つづく
<ブードゥー人形>
使用する糸の色で願い事、呼ぶ運が決まり今回のは
青→健康
ピンク(桃色)→恋愛
白→純粋
を指している
やよいは息を吐きゆっくり吸い込み集中すると兎の人形に『力』を込める
すると兎の人形は右手、続いて左手を挙げる
「その調子、」
櫻はやよいの肩を持ち言う
やよいは更に集中し『力』を込めて行くが次第にやよいの腕が下がって行く
「…ストップ」
やよいの限界を感じた櫻はやよいに制止を掛けた
「え?」
「今日はここまで」
「まだ行けます」
「無理しなくても大丈夫だよ、時間はたっぷりあるから」
「でも・・・」
「やよい」
やよいは何か言いたそうな素振りを見せるが納得したのか大きく深呼吸する
「…わかりました」
「うん」
櫻は兎の人形を元の棚に戻すと作成中の作品がある作業机に着くと作業に取り掛かった
作業中の櫻は何を話しても全く反応しない
そのためやよいはその間の開店時間は接客に勤めている
玄関に付いている鐘が店内に鳴り響く
「いらしゃいませー」
やよいは反射的に櫻に教えられた営業スマイルでお客を迎える
お客は男性で年齢は30代前半、背丈は少し高くきりっとしたスーツの上に年期がありそうな深緑のコートを着ている
「よっ」
「ヒコさん」
彼、竹本尚彦(たけもとなおひこ)はこの地域の事件を担当している刑事でありこの「ビスク・デュオ」の常連でもある
『ヒコ』というのは店長が勝手に付けたあだ名だったがいつしかやよいと櫻も普通に使う様になっていた
「今日はどの様なぬいぐるみを?」
「娘がテストで満点を取ってな、そのご褒美をな」
直彦は新人刑事の時にいわゆる「できちゃった婚」をして現在8歳の娘がいる
直彦は見本といえるレベルの親バカで娘のプレゼントには良くぬいぐるみをあげていた
「何かいいものは無いか?」
「そうですね・・・」
やよいは数ある人形の中から小さな人形を出す
「これなんてどうですか?」
「これは?」
その人形の大きさは5,6cm、頭部は藁の上に針金で固め更にその上に毛糸で固めた作りになっている
「ブードゥー人形です」
「ブードゥー人形・・・?」
ブードゥー人形はブードゥー教が呪いの儀式に使う藁人形に模して作られたことが始まりだが今では願掛け、運を呼ぶ人形として親しまれている
「娘さんの好きな色は?」
またブードゥー人形は使う毛糸の色でどんな願いにするか決まる
「えっと・・・桃色と・・・白かな?この前その色鉛筆がなくなったって言ってたから」
「ふむふむ・・・」
やよいはいくつかある中から一つを取り出す
天子を模したその人形はドレスがピンク、翼の色が白の毛糸で作られている
他にも様々な小さな部分に力が入っておりキーホルダにしては大胆に作られていた
「うん、これなら喜びそうだな、買うよ」
「ありがとうございます。・・・そうだ」
やよいは更にもう一体のブードゥー人形を出す
今度は青のスーツに白色の翼をしている
「サービスでこの子も付けちゃいますね」
「すまない」
「いえいえ」
やよいは二体の人形を袋に入れ渡し直彦の出したお金を受け取った
「ありがとう」
「どういたしまして」
直彦は店を出ようとしたがそこで用事を思い出した様に反転する
「おっと、そうだった・・・」
直彦は懐から1通の手紙を出すとやよいにみせる
「『手紙』だ」
やよい、そして櫻も何もいわずに作業の手を止めた
つづく
<ブードゥー人形>
使用する糸の色で願い事、呼ぶ運が決まり今回のは
青→健康
ピンク(桃色)→恋愛
白→純粋
を指している
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